ドライブシミュレーターって実際どうなの?教習所での活用シーンとリアルな感想

コラム集~免許取得のヒント~

自動車教習所に通っていると、何度か出てくるのがドライブシミュレーターです。

名前だけ聞くと、ゲームの延長のようで、「本当に役に立つの?」と疑問に感じた方も少なくないはずです。

しかし、実際に体験してみると、思った以上に意味を感じる部分もあります。

この記事では、ドライブシミュレーターの教習所での活用シーンや、実際に使ってみた印象を交えながら、ドライブシミュレーター教習の意味や効果について解説します。

ドライブシミュレーターとは、実際の道路環境を仮想的に再現し、危険な場面や悪天候の中での運転を安全に学べる装置のことです。

機種によっては映像だけでなく、振動やエンジン音なども取り入れられており、疑似的とはいえ、臨場感のある運転体験ができます。

実車では再現が難しいシーンを扱えるため、補助的な学習ツールとして、多くの教習所で使われています。

教習所でのドライブシミュレーターは、主に次のような場面で使われます。

  1. 危険予測教習
  2. 高速道路など実車では行けない場面
  3. 夜間・雨天などの悪条件のトレーニング

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1:危険予測教習

ドライブシミュレーター教習でもっとも一般的なものが、飛び出しや見通しの悪い交差点など、危険が潜む状況を体験する「危険予測教習」です。

実際の車で再現するにはリスクが高いため、シミュレーターでの教習が最適です。

運転者の視線がどこに向いているのか、どのタイミングでブレーキを踏むべきかなど、運転者の判断の癖や運転傾向を知るきっかけにもなります。

2:高速道路教習が難しい場合の予習・補助として使われる場面

教習所の立地によっては、高速道路が近くになかったり、近くの高速道路が混んでいたりして、実際の高速道路での教習が難しい場合があります。

実際の高速道路での教習が難しい場合、合流の流れや車線変更のタイミングなどを、ドライブシミュレーターで事前にイメージをつかむことが可能です。

実際の高速道路に入る前にイメージをつかめるため、初めての場面に対する不安を和らげる効果もあります。

3:夜間・雨天などの悪条件のトレーニング

夜間は視界が悪くなり、雨の日は制動距離(ブレーキを踏んでから止まるまでの距離)が変わります。

夜間や雨天などの悪条件を実際の教習で都合よく再現するのは難しいため、シミュレーターの活躍どころです。

視界の変化やブレーキの効き方の違いを体験するだけで、心構えが変わります。

ここでは、実際にドライブシミュレーターを使って教習を受けた人の、リアルな感想をご紹介します。

1:ゲーム感が強いと感じた

シミュレーションを使ってみた感想として挙がりやすいのが「ゲーム感が強い」というものです。

ドライブシミュレーターに乗り込んだ瞬間、「ゲームセンターのマシンみたいだな」と感じました。ハンドルの重さやアクセルの反応が実際の車とは違うし、映像もゲームみたいです。運転の感覚を身につけるものではなく、あくまで雰囲気をつかむための補助的な装置だと思いました。

2:危険予測に対する意識が高まった

シミュレーションの内容が思ったよりもリアルで効果を感じた方もいます。

危険予測のシナリオが始まると、思っていた以上にハラハラしました。子どもが急に飛び出してきたり、対向車が突然右折してきたりと、実際に起きたら怖い場面が次々に出てきて、気を抜く暇がありません。自分の反応が遅れると、そのまま結果に反映されるので、実感として理解できます。疑似体験でも緊張感があり、ドライブシミュレーターの教習を受けた後、危険に対する意識が高まりました。

3:実車運転への意識が変わった

実際にドライブシミュレーターを使用して、安全運転に対する意識が向上したという感想もあります。

ドライブシミュレーターの教習を受けた後、実車を運転すると、自分でも意識の変化に驚きました。交差点に近づいた時のスピードの落とし方や、横断歩道の近くでの視線の向け方などが、以前より丁寧になっていたのです。教官にも「以前より注意が行き届いている」とほめられました。運転操作のリアルさは完ぺきではありませんが、安全意識を高める上では、十分効果を感じます。

ドライブシミュレーターに対しては、「役に立たない」という意見もあれば、「初心者には助かる」という意見もあります。

実際のところ、得られる効果は目的によって変わります。

技術の練習には限界がありますが、危険な場面の体験や、心の準備という点では有効です。

長所と短所を理解したうえで活用することが大切です。

目的次第で意味がある

ドライブシミュレーターは、「最初に運転操作を覚えるための機械」と思われがちですが、実際は「危険を知るための教材」としての役割が中心です。

滑らかなハンドル操作や繊細なアクセルワークを覚えるためには不向きですが、危険予測力や注意力を高めるという目的のために活用するには有効です。

何を伸ばすための教習なのかを理解して受けることで、得られるものも変わってきます。

向いている教習

ドライブシミュレーターに向いている教習は、路上教習の前段階や、危険予測トレーニングに関係する以下のような場面です。

  • 危険予測
  • 高速道路の雰囲気予測
  • 夜間・雨天時の特性理解

これらは、実車での場面を想定した教習が難しく、かつリスクが大きいものです。

実車では、上記のようなシチュエーションを体験するためには条件が揃うのを待つ必要があります。

しかし、ドライブシミュレーターを活用して、路上に出る前に交差点の見方や右左折の確認の順番、合流の判断などを一度経験しておくと、実車での運転がスムーズになります。

向いていない教習

ドライブシミュレーターに向いていない教習は、実際に体験して体で覚える必要があるものです。

  • 車両感覚
  • 操作の細かいフィーリング
  • 発進・停止などの基本操作

特に、車両感覚や速度感覚の微調整、ブレーキの踏み加減、路面の凹凸による揺れへの対応などは、実車で覚えるのが一番の方法です。

体で覚える必要のある操作や運転シーンをドライブシミュレーターで完璧にしようとすると、実車に乗ったときに感覚の差で戸惑うケースもあります。

ドライブシミュレーターは判断力を培う教習に向いている一方で、体感を培う教習には不向きといえるでしょう。

ドライブシミュレーターは、実車の代わりになるものではありません。

ただし、危険な場面を安全に体験できるという点で、安全運転に対する意識を高めてくれるものです。

特に、経験が少ない初心者にとっては、事前に起こり得る危険を知っておくことで、運転そのものへの心構えが変わります。

ドライブシミュレーターは、ゲームのようでありながら、安全運転に必要な意識を身につけるには有効な教習だといえます。

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