運転免許を取得する際、「AT限定免許にするか、MT免許を取るか」で悩む人は少なくありません。
近年は、AT車が主流となっているため、AT限定免許を選ぶ人も増えていますが、一方で、「後から後悔するのでは」「限定解除は難しいのでは」と不安に感じる声も聞かれます。
この記事では、AT限定解除の実際の難易度や費用を具体的に解説していきます。
限定解除の実際の難易度はどれくらい?
AT限定解除は、AT限定免許からMT車を運転できる普通自動車免許へ切り替えるための手続きです。
難易度は、以下のように受ける方法によって大きく異なります。
- 教習所に通う
- 試験場で一発試験を受ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
教習所に通う場合
教習所に通う場合はすべての操作ができるようになるまで教習を受けられるので、検定の合格率は高く、多くの人が合格できるといわれています。
教習所に通う場合は、教習所のコースで、最低4時間の技能教習を受けます。
すべてMT車を使っての教習で、主な内容は、「発進・停止」「坂道発進」「ギアチェンジのタイミング」です。
ただし、AT車とは異なりクラッチペダルとギアチェンジの操作が加わるので、慣れない人は4時間では終わらないこともあります。
試験場で一発試験を受ける場合
試験場で一発試験を受ける場合、教習所よりも厳しく審査されます。
確実な操作と、正確な法規走行が求められるため、合格率は30%以下、地域や試験場によっては5〜10%といわれており、難易度が高いです。
主な評価項目は、「クラッチ操作」「シフトチェンジ」「坂道発進」「方向転換やクランクでの切り返し」「法規走行」(安全確認、ウィンカーのタイミングなど)などです。
再取得や免許失効などでMT車に乗り慣れている人でも、落ちることがあると言われています。
AT限定解除の難易度が高いと感じやすいポイント
AT限定解除の難易度が高いと感じやすいポイントは、以下の3つです。
- クラッチ操作に慣れておらず戸惑いやすい
- 発進・停止でエンストしやすい
- 坂道発進に不安を感じやすい
一つひとつ見ていきましょう。
クラッチ操作に慣れておらず戸惑いやすい
AT車にはクラッチペダルがないため、クラッチペダルの操作感覚に戸惑いやすいです。
特に、半クラッチの感覚をつかむまでは、エンストばかりする方も少なくありません。
AT車では何の役割もなかった左足を動かすため、右足と左足が別々の動きをすることに慣れない人もいます。
発進・停止でエンストしやすい
MT車は、発進と停止の時に、クラッチペダルを良いタイミングで操作しないとエンストします。
発進の時は、半クラッチの状態で、アクセルを踏みつつ、エンジンの回転数が落ち着いたら徐々にクラッチを離す、という操作が必要です。
停止の時は、ブレーキを踏んで十分にスピードを落としてからクラッチペダルを深く踏み込みます。
このようなクラッチ操作がうまくできないと、すぐにエンストしてしまうのです。
坂道発進に不安を感じやすい
坂道発進の時は、平地よりもエンジンの回転数を高く保つ必要があります。
クラッチは半クラッチの状態から、焦らずゆっくり繋いでいくようにします。
しかし、後退する恐怖や空ぶかしする不安から、焦ってうまく操作できない人が少なくありません。
AT限定解除にかかる費用はどれくらい?
限定解除を検討する際、費用面も重要な判断材料です。
AT限定解除にかかる費用は、教習所で限定解除する場合と、試験場で一発試験を受ける場合で以下のように大きく異なります。
| 教習所 | 4〜10万円 |
|---|---|
| 一発試験 | 2,850円(1回) |
最初からMT免許を取る場合と比較しながら具体的な費用相場を見ていきましょう。
教習所で限定解除する場合の費用相場
教習所で限定解除する場合の費用相場は、4万円〜10万円となっています。
一般に、教習所卒業からの期間が短いほど安くなっており、1ヶ月以内なら約4万円、3ヶ月以内なら約6万円、1年以内なら約8万円ほどかかる場合が多いです。
また、追加教習が必要になったり、検定で不合格になると、追加費用がかかります。
試験場で一発試験を受ける場合の費用
試験場で一発試験を受ける場合の費用は以下の通りです。
| 申請料 | 1,400円 |
|---|---|
| 車両使用量 | 1,450円 |
| 合計 | 2,850円 |
他に、運転免許センターでの免許証交付手続きの際に、別途手数料が必要になる場合があります。
教習所で限定解除するより圧倒的に安いですが、不合格になって何度も再受検すると、結果的に高くつく可能性もあります。
最初からMT免許を取る場合との比較
AT限定免許とMT免許では、免許取得時にかかる費用の差は、1.5万円〜3万円ほどです。
合宿免許で繫忙期になると、宿泊日数が増えるため費用の差も開きますが、閑散期の通学免許であれば、1.5万円ほどが一般的です。
後から教習所で限定解除するよりも、2万円以上少ない費用でMT免許が取れることになります。
少しでもMTに興味があるなら、初めからMTで免許を取るのが賢明
AT限定免許も悪い選択ではありませんが、少しでもMT車に興味があるなら、初めからMTで免許を取る方が後悔しにくい選択です。
一般的な車はAT車が主流ですが、スポーツカーやクラシックカー、あるいはトラックなどの運送系や建築系の自動車は、現在でも多くの車種がMTです。
車を使う仕事に就く可能性がある人、あるいは車が好きで、自分で車を運転している感覚を楽しみたいという人には、初めからMTで免許を取ることをおすすめします。
後から限定解除もできますが、余計な時間と手間と費用がかかってしまいます。
後悔しないためには、自分の将来像やライフスタイルを考えた上で、納得できる免許を選びましょう。
