運転免許の教習中や運転を始めたばかりの頃は、「緊張して手に汗をかく」「あがってしまって思うように操作できない」と感じる方が多くいます。
では、どうしたら運転中の緊張やあがり症を克服できるのでしょうか。
この記事では、運転中に緊張する原因と、克服するために実践したいメンタルテクニックを紹介します。
運転中に緊張する7つの原因
運転中に緊張する原因は、主に以下の7つです。
- 慣れない状況への対応が必要になる
- 教官の視線や言葉が気になる
- 操作ミスへの不安や恐怖がある
- 教習時間の制限がプレッシャーになる
- 他の教習生と比較してしまう
- 周囲の歩行者や車に迷惑をかけているのではないかと不安になる
- 心配性や完璧主義など性格的に緊張しやすい傾向がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因1:慣れない状況への対応が必要になる
初めて走る道や交通量の多い道路に出ると、信号や標識、周囲の車や歩行者など、目に入る情報が一気に増えます。
「歩行者がいる」「信号が黄色に変わりそう」「右車線の車が進路変更するかもしれない」などと頭では理解していても、実際にすぐに判断して行動に移すのは困難です。
どうすればよいか分からない場面に直面すると、「間違えたらどうしよう」と不安になり、自然と緊張が高まります。
原因2:教官の視線や言葉が気になる
教官に見られていると思うと緊張する、きつい言葉や口調で言われるとあがってしまう、というのはよくあるケースです。
教習所では常に教官が横に座って見ているため、強いプレッシャーを感じやすい傾向があります。
操作のたびに「見られている」と意識してしまい、指摘や注意を受けるのではないかと心配になり、操作に集中できず緊張が高まってしまうのです。
あまりにも怖くて緊張してしまう場合は、教官を変えてもらうのも一つの方法です。
原因3:操作ミスへの不安や恐怖がある
アクセルやブレーキを踏み間違える、クラッチ操作に失敗するなど、「操作ミスをしてしまったらどうしよう」という不安は、免許を取得した方でもつきまとう緊張です。
「絶対に失敗してはいけない」と思うほど体が硬くなり、余計に操作ミスを招くという悪循環に陥ることもあります。
原因4:教習時間の制限がプレッシャーになる
教習には時間の制限があります。
時間内にこれだけできなければならないという決まりがあり、時間を超過してしまうと不合格となってしまいます。
この時間制限がプレッシャーになって、余計緊張が高まる方も多いです。
原因5:他の教習生と比較してしまう
教習所での路上での合同教習や卒業検定などでは、他の教習生と同乗します。
他の教習生と比較してしまい、自分だけ下手なのではないかと不安になり、さらに緊張してミスが増えることも少なくありません。
原因6:周囲の歩行者や車に迷惑をかけているのではないかと不安になる
路上を運転していると、歩行者や他の車の運転手からの視線を感じることがあります。
そうすると、自分は安全運転をしているつもりでも、もしかしたら周囲の歩行者や他の車に迷惑をかけているのではないかと不安になってしまい、気持ちに余裕がなくなり緊張が高まってしまいます。
原因7:心配性や完璧主義など性格的に緊張しやすい傾向がある
元々の性格的に、心配性の方や完璧主義の方は、緊張しやすい傾向があります。
心配性の方は、「ミスしたらどうしよう」「事故を起こしたらどうしよう」と不安になり、緊張がどんどん増していく方も少なくありません。
完璧主義の方は、「完璧にできていない自分」が不安になり、緊張しやすい傾向があります。
運転中の緊張やあがり症を克服する12のテクニック
運転中の緊張やあがり症を克服する13のテクニックは以下の通りです。
- 深呼吸・腹式呼吸をする
- 甘い飲み物を飲む
- 鎮静作用のあるコーヒーやお茶を飲む
- ガムを噛む
- ストレッチをする
- 声を出す
- 車に乗るまでのルーティンを作る
- 教習所までの道順を確認する
- 失敗は当然と思って「ミスしても大丈夫」と自分に言い聞かせる
- 目的は「合格」ではなく「経験を積む」ことだと認識する
- 同期の教習生や友人に相談して「みんな同じなんだ」と不安を共有する
- 前日はアルコールを避け、早く寝る
- 教習中は、足や手の動きに集中する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
<1>深呼吸・腹式呼吸をする
「緊張している」「あがっている」と感じたら、まず深呼吸をしましょう。
深呼吸をすると、心拍数や脳の興奮状態も落ち着きます。
「4秒かけて吸って、6秒かけて吐く」といったリズムを意識すると、自律神経が整いリラックス効果が得られます。
<2>甘い飲み物を飲む
緊張するとエネルギーが消耗し、血糖値が下がることで集中力も低下します。
そんな時はジュースやスポーツドリンクを一口飲むだけで、気持ちが落ち着きやすくなります。
ただし、飲みすぎると血糖値が急に上がって、その後急激に下がることで逆に集中力が落ちたり気分が不安定になったりするため飲み過ぎには注意しましょう。
<3>鎮静作用のあるコーヒーやお茶を飲む
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには覚醒作用だけでなく、気分を落ち着ける効果も期待できます。
そのため、運転前にコーヒーやお茶を飲むことで、過剰な緊張を抑えることができます。
特に温かい飲み物はリラックス効果を高めるため、教習前に取り入れると良いでしょう。
ただし、人によってはカフェインに敏感な場合があるので、体質に合わせて調整してください。
<4>ガムを噛む
噛む動作にはリズムがあり、脳への血流を促して集中力を高める効果があります。
緊張しているときにガムを噛むと、自然とリラックスしやすくなるため、運転前や運転中におすすめのテクニックです。
ミント系のガムなら口の中もスッキリして気分転換にもつながります。
<5>ストレッチをする
ストレッチなどの軽い運動は、脳に適度な刺激を与え、リラックスを促します。
特に、肩や首、手首などをほぐすストレッチは、体のこわばりを取るのに効果的です。
運転前に背伸びをしたり、肩を回したりするだけでも血流が良くなり、リフレッシュできます。
<6>声を出す
声を出すと、声帯が震え、脳に振動が伝わります。
聴覚にも刺激があり、脳の神経が聴覚優位に働くようになるため、過剰な興奮が収まり、緊張がほぐれるのです。
「大丈夫」「落ち着こう」などと声に出すことで思考も整理され、冷静さを取り戻せます。
歌うのも良い方法です。
<7>車に乗るまでのルーティンを作る
車に乗る前に、自分なりのルーティンを作ってみましょう。
たとえば、「深呼吸→シートに座る」など、緊張を和らげるテクニックと組み合わせるのがおすすめです。
スポーツ選手が試合前に行う儀式と同じで、決まった流れを繰り返すと安心感が生まれ、緊張しにくくなります。
<8>失敗は当然と思って「ミスしても大丈夫」と自分に言い聞かせる
教習生は、今まさに車の運転を勉強中であるため、失敗するのは当然です。
たとえミスをしても、教官が補助ブレーキを踏んでくれるので、事故になることはありません。
そのため、「失敗は当然」「ミスしても大丈夫」と自分に言い聞かせることで、過剰な緊張を防ぐようにしましょう。
<9>目的は「合格」ではなく「経験を積む」ことだと認識する
教習生は、教習の目的を「合格」「免許取得」と思いがちです。
しかし、そうではなく、毎回少しずつ経験を積んでいっているのです。
免許取得はむしろスタートラインであって、そこから車のある人生が始まります。
そのために、経験を積んでいるのだと思うことが大切です。
そうすれば、失敗やミスも経験になり、たとえ不合格になっても無駄にはならないと思えるはずです。
<10>同期の教習生や友人に相談して「みんな同じなんだ」と不安を共有する
同期の教習生や、すでに免許取得している友人に、緊張したことがないか聞いてみましょう。
誰でも、一度や二度は緊張したことがあるはずです。
「みんな同じなんだ」と不安を共有することで、「自分だけが緊張しているのではないか」という不安が和らぎ、過剰な緊張を防ぐことができます。
<11>前日はアルコールを避け、早く寝る
技能教習や試験の前日は、アルコールを飲むのは控えましょう。
アルコールは、脳の神経を麻痺させるだけでなく、眠りも浅くしてしまいます。
普段晩酌が習慣になっている方も、せめて試験の前日だけはアルコールを避け、早く寝るようにしましょう。
どうしてもリラックスできなければ、控えめな量を心がけましょう。
<12>教習中は、足や手の動きに集中する
教習中は「失敗したらどうしよう」と考えてしまうと、不安になって緊張が高まってしまいます。
車を運転している時は、アクセルやブレーキを踏んでいる足の動きや、ハンドルを握る手の動きに意識を集中させましょう。
今の動作に集中することで、余計なことを考えることに脳のリソースを割かなくなり、不安や緊張が軽減します。
ちょっとした工夫で緊張やあがり症を克服しよう!
教習や試験はもちろん、車の運転は、誰しも緊張するものです。
しかし、ちょっとした工夫で気持ちを落ち着けることはできます。
今回紹介した12のテクニックを組み合わせれば、自分に合った方法が見つかるはずです。
緊張する自分を無理やり落ち着かせようとするのではなく、様々なテクニックを使って少しずつ克服していきましょう。