運転に向いてない性格ってある?不安な人が気にすべきポイントとは

コラム集~免許取得のヒント~

「自分は運転に向いていないのでは?」と感じたことはありませんか?

免許は取ったものの、車を運転するたびに緊張したり、周囲の車に気を遣い過ぎて疲れてしまったりすると、「性格的に向いていないかも」と思い込んでしまう人は少なくありません。

しかし、実際のところ、運転の向き・不向きは、性格そのものよりも経験や環境の影響を強く受けます。

性格は工夫次第で強みに変えることができ、苦手意識があっても安全運転ができるようになる人は多いのです。

この記事では、運転に向いていないと言われる性格の特徴とその理由、苦手意識のある人が安心して運転できるようになるポイントを解説します。

運転に向いていないと言われる性格の特徴は、主に次の4つのタイプに分かれます。

  1. 慎重すぎて行動が遅れるタイプ
  2. 周囲が気になり過ぎる「気遣い多過ぎ」タイプ
  3. マルチタスクが苦手なタイプ
  4. 緊張しやすいタイプ

ここでは、特徴と理由を見ていきます。

1:慎重すぎて行動が遅れるタイプ

慎重な性格は、安全運転には欠かせない要素です。

しかし、慎重すぎると、「判断が遅い」「行動に移すまで時間がかかる」という弱みになります。

たとえば、右折のタイミングがつかめない、合流で入れないなどの状況が続くと、「自分は運転に向いていない」と思いやすくなります。

ただし、焦らず判断できるように経験を積むことで、慎重さをむしろ強みに変えることが可能です。

2:周囲が気になり過ぎる「気遣い多過ぎ」タイプ

後続車などに気を遣い過ぎてしまう人は、必要以上に焦ってしまいがちです。

「後ろの車を待たせている気がする」「ゆっくり走ったら迷惑かも」などとプレッシャーを感じ、無理な判断をしてしまうこともあります。

しかし、交通ルールに従い、安全を最優先に運転するのであれば、周囲が多少待つのは問題ありません。

気遣いができる性格は、安全意識が高い証拠でもあります。

3:マルチタスクが苦手なタイプ

運転するには、「周囲の確認」「アクセルとブレーキの操作」「標識の読み取り」など、複数の動作を瞬時に処理する力が必要です。

マルチタスクが苦手なタイプは、これらの作業を同時に行わなければならないことで混乱しやすく、「自分は運転に向いていない」と感じることがあります。

しかし、運転操作は慣れるほど無意識でできるようになるため、経験を積めば対応できるようになるケースがほとんどです。

4:緊張しやすいタイプ

緊張しやすい人は、ハンドルを握った途端に肩に力が入ったり、視野が狭くなったりしがちです。

慣れない道路や複雑な交差点では、より不安が強くなるかもしれません。

しかし、緊張しやすい性格は、「慎重で責任感がある」という側面もあります。

落ち着いて運転できる環境を整えれば、焦らず運転できるようになります。

運転に苦手意識を持つ原因の多くは、性格より経験不足によるものが多いです。

なぜなら、運転はハンドルやアクセルを操作するだけでなく、「周囲の状況を読み取る」「その情報をもとに判断する」「車を動かす」という作業を並行して行う必要があるからです。

運転経験が少ないうちは、「どこを見て、何を基準に判断すればいいか」という視線の動かし方や確認すべきポイントが分からず、混乱状態になりがちです。

その結果、右折のタイミングがつかめない、合流で入れないという場面が続き、「自分は運転に向いていない」と思ってしまいやすくなります。

しかし、経験を積めば状況を判断するための材料が増え、必要な情報を優先順位をつけて処理できるようになります。

つまり、運転への苦手意識は性格の問題というより、「判断に使える手札がまだ揃っていない」と捉えるのが適切です。

運転は経験が自信に直結

運転は、経験がそのまま自信につながります。

自信がない状態だと、周りの車が必要以上に速く見えたり、「こういう時はどうすればいいんだっけ?」と判断に迷いやすくなったりして、動作が遅れたりぎこちなくなったりすることがあります。

このような判断の迷いや動作の遅れは性格が原因というより、成功体験が少ないのが原因です。

場数を踏んでいないため、「こういう時はこう判断するのが適切だ」という確信が持てない状態になっています。

回数を重ねることで、判断のタイミングや車両感覚、ハンドル操作のコツがつかめてくるため、苦手意識が自然と薄れていきます。

自己肯定感の低さが原因になっていることも

「少しのミスでも自分を責めてしまう」「周囲と比較して落ち込んでしまう」などの傾向があると、運転自体に問題がなくても、「向いていない」と思い込んでしまう人もいます。

たとえば、右折や合流で迷った経験があると、「また迷惑をかけたらどうしよう」「自分の判断は間違っているかもしれない」と考えやすくなり、必要以上に慎重になってしまうことも。

必要以上に慎重になってしまうと、「判断に時間がかかる → 焦る → さらに判断が遅れる」という悪循環が起きやすくなります。

そして「うまくできなかった体験」だけが強く残り、苦手意識が強くなってしまうことも少なくありません。

しかし、ここで性格のせいにするより、「どの場面で、何が分からなかったのか」を具体的に分解して考えるほうが苦手意識の改善につながります。

「うまくできなかった」という経験は運転の上達に欠かせないプロセスであり、むしろ改善のヒントになります。

運転に不安がある人が押さえておくべきポイントは次の5つです。

  1. 苦手な場面を見える化して対策する
  2. 運転しやすい環境を整える
  3. 操作を体で覚えるまで練習する
  4. 焦らないためにメンタルコントロールする
  5. 1人で無理せず、頼れる人に頼る

一つひとつ見ていきます。

ポイント1:苦手な場面を見える化して対策する

合流、駐車、車線変更など、苦手な場面は人それぞれです。

まずは「自分がどこで不安になるのか」を具体的に把握し、その場面に絞って対策を立てることで、効率よく上達できます。

その場面だけ、ペーパードライバー講習でプロからアドバイスを受けるのも良いでしょう。

ポイント2:運転しやすい環境を整える

まだ運転に慣れないうちは、運転しやすい環境が大事です。

  • 昼間の明るい時間
  • 交通量の少ない道路
  • 広めの駐車場

こうした運転しやすい環境を選ぶだけで、運転の緊張は大幅に軽減されます。

ポイント3:操作を体で覚えるまで練習する

ハンドル操作や駐車の手順は、頭で考えるよりも体で覚える方が身につきます。

同じコースを繰り返し走る、同じ駐車枠で何度も練習するなど、反復練習が効果的です。

ポイント4:焦らないためにメンタルコントロールする

焦りは判断ミスの大敵です。

深呼吸する、運転前にルート確認をする、疲れている時は運転しないなど、自分が落ち着いて運転できる状態を作ることが大切です。

ポイント5:1人で無理せず、頼れる人に頼る

家族・友人で経験豊富な人に同乗してもらう、ペーパードライバー講習を受けるなど、サポートは積極的に活用しましょう。

第三者に見てもらうことで改善ポイントがわかり、自信もつきやすくなります。

運転に自信をつけるために、今日からできる簡単なステップを紹介します。

  1. まずは短距離を安全な時間帯に走ってみる
  2. 駐車だけしてみる
  3. 苦手な場面を一つだけ練習する
  4. 成功体験を記録する

一つだけでもいいので、今日からやってみましょう。

ステップ1:まずは短距離を安全な時間帯に走ってみる

いきなり長距離や難しい道に挑戦する必要はありません。

まずは近所の慣れた道を、車や歩行者が少ない時間帯に走ることから始めましょう。

まずは短距離かつ安全な時間帯で走る理由は、運転が苦手だと感じる人は交通量や周囲の速度感など、外からの情報が多い状況で緊張しやすく、判断が遅れてしまいがちだからです。

具体的には、近所のコンビニやスーパーまでの往復など、10〜15分程度で終わる距離がおすすめです。

時間帯は早朝や平日昼間など、車や歩行者が少ないタイミングを選ぶと判断しなければいけない情報の量が少なくなります。

このステップは、まずは落ち着いて運転することが目標です。

目標を高く掲げず、「できた」という成功体験を培っていきましょう。

ステップ2:駐車だけしてみる

運転の不安の多くは駐車にあります。

苦手意識を持つ人が駐車に不安を感じやすい理由は、車幅感覚や距離感がまだ掴めていないことやバック操作が「怖い」と感じる方が多いからです。

駐車だけの練習なら、周囲の車の流れや信号などがほとんどないため、自分のペースで安全に繰り返すことができます。

自宅や公園など空いている駐車場で、前向き駐車とバック駐車をそれぞれ数回行うだけでも「どのタイミングでハンドルを切ると入るか」という感覚が掴めます。

大切なのは一発で駐車できないことは「失敗」ではないことです。

何度切り返しをしても落ち着いて安全に駐車することができれば、自信につながります。

ステップ3:苦手な場面を一つだけ練習する

運転が苦手な人ほど、「右折も合流も車線変更も全部不安!」と感じやすいものです。

しかし、苦手を克服したいからと同時に複数の課題へ取り組むと負荷が増え、成功率が下がります。

結果として「やっぱり自分は向いていない」という結論に戻りやすくなります。

自信を失ってしまわないよう、合流・右折・バック駐車など、苦手な場面を一つに絞り、集中的に練習してみましょう。

一つの課題に集中して成功体験をつくると、その自信が他の運転操作にも良い影響を及ぼします。

ステップ4:成功体験を記録する

失敗した記憶は残りやすい一方で、うまくできたことは「たまたま」と流してしまいがちです。

せっかくの成功体験を無駄にしないよう、うまくできたことをメモする、写真を撮るなど、記録することで、モチベーションを維持していきましょう。

メモ程度に記録を残す場合は以下のような項目を記載すると自分の成長が可視化されます。

・走った距離や時間
・できたこと
・前より不安が減ったこと

記録が増えるほど「できるようになってきた自分」が積み重なり、メモを成長の根拠として捉えられるようになります。

自信は、小さな成功の積み重ねから生まれるのです。

運転に向いていないと感じる性格も、工夫次第で強みになります。

大切なのは、「不安があるからこそ安全運転できる」という前向きな視点を持つことです。

性格は、経験不足によって弱みに見えるかもしれませんが、経験を積めば強みに転じる可能性が高いものです。

少しずつ無理なく練習を重ねれば、必ず運転に対する不安は軽くなっていきます。

自分のペースで、ゆっくり自信を積み上げていきましょう。

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