合宿免許に行ってみて、教官の対応や通いにくさなどが原因で「なんだか合わないな…」「もう自動車教習所に行きたくない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
また、やむを得ない理由で合宿免許を中断せざるを得ない状況になってしまった方もいるかと思います。
今回は、合宿免許の転校と退校について解説していきます。
合宿免許の転校と退校の違いとは?
合宿免許の転校と退校の主な違いは以下の通りです。
転校 | ・合宿免許から地元の教習所に変更する ・教習内容を引き継げる |
退校 | ・解約と同等の扱いになる ・教習内容がリセットされる |
合宿免許における転校とは、通う自動車教習所を変更することです。
合宿免許に行っている場合、地元の教習所に転校できます。
また、進めた教習は引き継ぐことが可能です。
例えば、突然の体調不良などで合宿免許を続けられなくなった場合、地元の教習所への転校手続きをすれば、合宿免許で教習を受けられなかった分を、地元の教習所の通学コースで受けることができます。
一方で、退校する場合は教習期限が残っていても教習内容がそこでリセットされてしまうので、今までの教習が全て無駄になってしまいます。
新しい教習所に再び通い出してもまた最初から教習を受けなくてはなりません。
そのため、よほどのことが無い限り、退校ではなく転校を選んだ方が良いでしょう。
合宿免許の途中で退校できる?
結論から言えば、合宿免許の途中で退校することは可能です。
退校は解約手続きということになるので、今まで受けた教習を他に引き継ぐということができません。
他校に再入校しても一からやり直しになるので注意が必要です。
また、何日間教習を受けたかにもよりますが、テキスト代や教習費用、宿泊費に既に使用しているため全額返金にはなりません。
退校する前に返金の金額が提示されるので、納得した上で退校手続きをするようにしましょう。
合宿免許を退校したら料金は戻ってくる?
合宿免許の退校で、全額の返金は絶対にありません。
返金額は支払った金額から、自動車教習所で使った費用と退校手数料を差し引いた分になります。
教習所で使った費用とは、テキスト代や受講した分の技能料や学科料、宿泊した日数分の宿泊食事料、受験した回数分の検定料や試験料などです。
ここに退校手数料も加わります。
退校する場合は決断が早い方が、受講料や宿泊食事料の費用が少ないため、キャッシュバックも多くなる可能性が高いです。
もしも合宿免許ローンを利用している場合は、契約内容によって返済方法が異なります。
返済方法には、次のような方法があります。
- 未受講分の料金の返金後に返済する方法
- 受講した教習分のみを返済する方法
退校する時は教習所やローン会社に確認しましょう。
再入校する場合にかかる費用はどれぐらい?
合宿免許を退校してから、再び入校する場合にかかる費用は、初めて入校するときと料金は変わりません。
20万~30万円ほどかかってしまいます。
しかし、仮免許を取得できている場合は入校時の条件が「仮免許を持っている場合」に変わりますので、何も免許を持っていない状態よりもいくらか安く入校することが可能です。
仮免許取得済みの方が入校できる合宿免許も用意されており、15万~20万円ほどで合宿免許に申し込むことができます。
日数も最短7日間と短いので、時間に余裕のない方も一週間ならなんとかできるのではないでしょうか。
仮免許を取得した後に退校したらどうなる?
仮免許を取得した後に退校した場合、教習内容は全てリセットされますが、「仮免許」という免許だけは取得できている状態になります。
つまり、自動車教習所に再入校する場合は「免許なし」ではなく「仮免許取得」の状態から開始することができるということです。
また、教習費用も20万円ほどで済むので少々安く感じることでしょう。
ただし、6ヶ月以内に本免許を取得する必要がある
仮免許には有効期限が存在しており、仮免許を取得してから6ヶ月以内に本免許を取得する必要があります。
合宿免許を退校して半年以内に再入校して免許を取得できるようなスケジュールを立てないと、仮免許も失効してしまいます。
仮免許を取得したあとに退校する場合は、なるべく早く他の自動車教習所に再入校する必要があります。
合宿免許の途中で転校できる?
結論から言えば、合宿免許の途中でも、転校をすることは可能です。
退校の場合と同じく、全額返金されることはありませんが、支払った金額から、以下のような自動車教習所でかかった費用と、転校手数料が引かれた金額が戻ってきます。
- テキスト代
- 受講した技能料と学科料
- 宿泊した分の宿泊食事料
- 受験した検定料や試験料
合宿免許の途中で転校する場合は、地元の教習所の通学コースに入校することになります。
ただし、けん引免許や大型特殊免許、各種限定解除については法律により転校が認められていません。
けん引免許や大型特殊免許、各種限定解除を合宿免許で取得する場合は注意が必要です。
合宿免許から転校しても教習内容を引き継げる?
合宿免許でも転校手続きをすれば教習内容を引き継ぐことができます。
もし、合宿免許で第一段階が終わっている状態であれば、転校先では第二段階から教習を始めることができます。
教習期限も引き継ぐことになります。
教習期限は決まっており、初めて教習を受けた日から9ヶ月以内に教習を全て終わらせなくてはなりません。
例えば8月1日に入所した場合、教習期限は4月30日になり、ここまでに教習を終わらせる必要があります。
また、仮免許は取得してから6ヶ月しか有効期限がありません。
もし、9月1日に仮免許を取得したら、2月28日までに免許の本試験に合格しなければなりません。
転校してもこの教習期限が引き継がれるため、転校先で期限が切れてしまうと教習を受けられなくなってしまいます。
しっかりと余裕を持ったスケジュールを立てて転校先の教習を受けるようにしましょう。
【ケース別】転校する前に教習期限が切れてしまった場合はどうなる?
教習の期限は、初めて教習を受けた日から9ヶ月です。
もし、転校する前に教習期限が切れてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
ケース1:第一段階の途中で期限切れになった場合
第一段階の途中で教習期限が切れてしまった場合、残念なことに期限を延長することはできません。
退校扱いになるので、教習の引継ぎはできないことになります。
退校手続きをして、未受講分の教習費用はキャッシュバックしてもらいましょう。
再入校する場合は第一段階の最初の教習からやり直しになります。
ケース2:第二段階の途中で期限切れになった場合
第二段階まで教習が進んでいる場合、仮免許を取得しているはずです。
仮免許を取得している場合は、6ヶ月の期限が切れていなければ、第二段階の初めから教習を再スタートさせることができます。
「仮免許取得」として自動車教習所に入所申し込みができるので、少し安く入所でき、期間も短く済ませることが可能です。
ただし、仮免許の期限が切れる前に本免試験に合格しなくてはならないので注意が必要です。
転校にかかる費用はどれぐらい?
転校にかかる費用は、以下の通りです。
- 教習費用
- 解約手数料
- 入学金
- 転校手数料
解約手数料は大体2万円、入学金が3万円~5万円、転校手数料が5,000円~1万円だとすると、8万円は余計にかかってきます。
解約手数料、入学金、転校手数料は自動車教習所によって変わってくるので、10万円ほどは余計にお金がかかると考えてください。
そこに教習費用がかかってくるので、25万~35万+10万円=35万~45万円はかかってしまいます。
通常の教習費用+10万円と考えるとなかなか大きな出費になってしまいます。
合宿免許の転校手続きの流れ
退校手続きの場合は、1つの教習所で手続きをすれば完了しますが、転校の場合は2つの教習所間で教習進度などの確認を行う必要があります。
合宿免許から転校する場合の手続きの流れについて
STEP1:転校の意思を伝える
まずは受付スタッフに転校の意思を伝えましょう。
転校の意思を伝える際に転校先が決まっている場合は、教習所名も一緒に伝えます。
教習所によっては転校届などの必要書類を提出する必要があるケースがあります。
STEP2:教習所間で手続きが行われる
元いた教習所から教習原簿や住民票、証明写真などが渡され、教習所間で転校処理が行われます。
ちなみに教習原簿とは、転校前の教習所での教習進捗度合いや教習の期限などが記載された資料のことです。
教習原簿、住民票、証明写真などの書類一式は、転校先の教習所に郵送される場合と教習生自身が持参する場合があります。
転校にともない住所変更した場合は、現住所の住民票を教習所に提出しましょう。
元の住所の住民票しか提出していない場合は、近くの運転免許試験場で受験できない可能性があります。
STEP3:転校先の教習所から再入校手続きの案内がある
再入校手続きの案内は基本的に電話でされます。
電話に出られなかった場合は折り返しましょう。
可能であれば仮免許を取得した後に転校するのがおすすめ!
合宿免許の転校と退校について解説してきました。
退校する場合は教習の引き継ぎができませんが、転校の場合は今まで受講した教習内容を引き継ぐことができます。
もし、転校について考えていて、時期を自由に変えられるのであれば、仮免許を取得した後に転校するのがおすすめです。
再入校する場合に教習を引き継げるので、第二段階から再スタートすることができます。
自動車教習所が自分に合わないと感じたら、転校も一つの手ですので、考えてみましょう。
また、やむを得ず転校・退校しなくてはならない場合も、期限内なら転校しても教習を引き継ぐことができます。
諦めずに最後まで免許を目指してみましょう。