運転免許の取得は、都道府県公安委員会公認の指定自動車教習所に通い、教習所で行われる検定に合格し、運転免許試験場で学科試験に合格するという流れで行うのが一般的です。
教習所に通う方法としては、近隣の教習所に自宅から通う通学免許と、遠方の教習所に滞在し短期集中での取得を目指す合宿免許の2パターンに分けられます。
中でも、短い期間で、かつ通いよりも格安で運転免許を取得出来るということで、学生や社会人に人気なのが「合宿免許」です、
実際のところ、合宿免許に参加すると、毎日どのような生活を送る事になるのでしょうか?
本記事では、合宿免許の主なスケジュールを図解付きで解説していきます。
合宿免許の期間って?どれぐらいの期間空けておけばいいの?
合宿免許に参加するとなった際、どの程度の期間を空けておくべきなのでしょう?
最短卒業期間としてほとんどの教習所が、普通車AT免許取得で14日間~/普通車MT免許で16日間~という日程を設定しています。
これは道路交通法において、1日に受講出来る運転技能の教習時限数が定められているためです。
ただ、教習所や入校日によってスケジュールには若干の違いがあるので、ご自分が入校検討している教習所ではどうなのか、自分が入校した場合、休校日などを加味した上で、どれぐらいの期間が最短になるのかを、入校前に確認しておきましょう!
併せてチェック:合宿免許で延長・延泊になったらどうなるの?延長する確率と事前の対策
入校前〜準備しておくものは何?〜
まずは、合宿免許に入校する前です。合宿免許に、忘れてはいけないものがいくつかありますので確認しましょう。
- 本籍地所在の住民票
- 本人確認書類(健康保険証・パスポート)の原本
- 印鑑
この3点は入校の際に必ず必要となりますので、忘れないように必ず用意しておきましょう。
その他にも、入校する教習所の備品や宿泊先のアメニティなど、約2週間という期間を過ごす中で必要なものは準備しておく事がおすすめです。
教習所によっては周辺状況を事前に確認する事が出来ます。スーパーマーケットやコンビニまでも徒歩だと距離がある教習所も少なくないため、そのあたりも重点的にチェックしておくとよいでしょう。
いざ教習所へ~入校当日~
入校の際の集合場所・時間は教習所から指定されます。
同じ入校日に教習を開始する参加者は、ほとんど全員同じ時間に集合となるので、自分以外の参加者との集団行動となる可能性を意識し、遅れる事のないように注意して下さい。
また新幹線やバス、飛行機のチケットも教習所から送付される場合が多いので、チケットは忘れずしまっておきましょう。
当日から教習が始まる場合もありますし、職員の方からガイダンスや、教習所の案内を受ける時間もあり、入校日は参加者にとっても忙しい1日になります。
そのため、指定の時間までに入校出来なかった場合、その時点で卒業予定日が1日延びてしまう事もあります。遅刻と忘れ物がないように、気を付けるようにしましょう。
ただ、交通機関の事情でどうしても遅れてしまう事があるかもしれません。その時は速やかに教習所に連絡を取り、指示に従って下さい。
当日から教習は始まる?どんな事をするの?
入校当日から教習の時間割が組まれている教習所が多いので、合宿免許に参加する際はそのつもりで向かうようにしておきましょう。
実際にどのような事をするかというと、おおむね以下の内容が行われます。
- 入校説明:教習スケジュールや教習所内施設の説明など
- 適性検査:視力・聴力・色彩判別能力など、自動車運転が可能かどうかの検査(※適性検査の基準を満たしていなかった場合、入校が出来なくなってしまうため注意が必要です)
- 先行学科:技能教習を受ける前に必ず受けなければならない座学の授業
- 技能教習:車の運転を、実技を通し学ぶ教習
上記の中でも適性検査と先行学科は重要で、こちらに合格出来なかった場合は教習所への入校も出来なくなってしまいます。
もし視力や身体に関し不安がある場合は、事前に運転免許センターで適性相談を受けておく事をおすすめします。
入校から7日間〜第一段階~
入校してから最初の7日間は、「第一段階」と呼ばれる期間です。
この期間は全ての教習を教習所内で行う事となります。
9時限分の学科教習を受け、道路で車を運転するにあたっての基本的知識を学びつつ、普通車ATで最短12時限/普通車MTで最短15時限分の技能教習で運転技術を習得していきます。
路上教習ではなく教習所内コースで車を運転しますので、この段階のうちに基本的な運転の感覚を掴めるよう集中して取り組みましょう。
- 車の乗り降りと運転姿勢
- 発進と停止
- カーブや曲がり角の通行
- 信号に従った走行
これらの授業を始めとした内容が、1日2時限を上限として行われていきます。
全ての教習を受けた段階で、仮免許の取得に向けた「効果測定」や「みきわめ」が行われ、合格すると、終了検定・仮免学科試験へと進めます。
修了検定・仮免学科試験
第二段階では実際に一般道を走行し、より実践的な運転技術を学ぶ事となります。
路上に出るためには仮免許を取得していなければいけないので、 第一段階の終了時に行われる、終了検定・仮免学科試験に合格していなければ進めません。
- 修了検定:教習所内の試験コースを走行する(70点以上で合格)
- 仮免学科試験:50問の正誤式テスト(9割以上正解で合格)
検定は減点方式が採用されているので、落ち着いて学んだ事を発揮していけるよう取り組みましょう。また、もし途中でミスしてしまっても、最後まで諦めずに続ける事が重要です。
合格出来た場合には、「仮運転免許証」が交付されます。
仮免許取得から卒業まで~第二段階~
仮免許を取得出来たら、「第二段階」の教習がスタートします。
16時限分の学科教習と、普通車AT最短16時限/普通車MT最短19時限の技能教習を受け、卒業を目指す過程となります。
学科教習では、高速道路の走行や自動車の保守点検、応急救護教習など、また技能と学科のセット教習として「危険を予測した運転」なども行われます。
技能教習では、路上での応用走行の他、高速道路での走行についても学んでいきます。
- 交通の流れに合わせた走行
- 歩行者などの保護
- 急ブレーキ
- 高速道路での運転(シミュレーターを使う場合もあり)
これらの技能教習が、1日3時限を上限として行われていきます。
この過程を終えると、いよいよ卒業検定です。
卒業検定
卒業検定では、まず路上コースを運転します。
交通状況に応じた適切な運転が出来るかどうか、安全確認が出来ているかなど、これまで技能教習を通し学んできた全てを応用して試験に臨む事となります。
また縦列駐車や方向転換の試験を受け、両方に合格すれば、合宿免許は卒業、卒業証明書が交付されます。
とは言えここで運転免許が取得できるわけではなく、合宿から帰宅し、各々の住民票所在地の運転免許センターで再度学科試験を受ける必要がありますので、スケジュールに組み込んでおきましょう。
卒業から免許交付~運転免許センターでの試験~
合宿を終えると、参加者はそれぞれ帰宅する事になります。一緒の入校日であっても教習の状況によっては卒業日がずれ込む可能性もあるので、帰宅はばらばらになる事もあります。
自宅へ帰宅した後は、住民票所在地の運転免許センターへ赴き、適性検査と学科試験を受験します。
都道府県公安委員会公認の指定教習所を卒業していれば、技能試験は免除となり、学科のみ合格すれば運転免許を取得出来るのです。
最短で進めていくのであれば、合宿先の教習所から住民票所在地へそのまま向かい、次の日に学科試験を受け運転免許を取得するという流れが多いでしょう。
学科試験の知識に関しても、なるべく時間を空けずに試験に臨む方が安心して合格を目指せますので、次の日が無理でも、早めに受験するのがおすすめです。
免許合宿中のとある1日
最後に免許合宿中の1日のスケジュール例をご紹介します。
合宿参加中の朝は、大体7時前後に起床します。朝食をとった後、8〜9時の間には1時限目の教習がスタートします。
1日の教習内容は過程によって異なりますが、途中で昼食や休憩を挟みつつ、一番遅い教習は夜7時ごろまで続きます。
そして、宿泊施設に帰って19時に夕食を取り、その後は自由時間です。自主学習をする人もいれば、お風呂に入ったり、外出したり、基本的には自由に行動できます。
大体23〜24時に消灯となり、また次の日の朝7時前後に起きるというそんな生活が約2週間続きます。
次の図は普通免許(AT限定)の合宿免許の参考スケジュール例ですが、こうしてみると毎日忙しそうではありますが、比較的自由時間や空き時間は多くなります。
空き時間に観光が出来るプランを用意している教習所もあるので、遊びを楽しみつつ教習を受ける事も出来ますし、自習システムも充実しているため空き時間も復習に打ち込んでも良いでしょう。
毎日集中して学べる合宿免許で、運転免許取得を目指そう!
合宿免許で運転免許を取得する際の流れについて解説してきました。
合宿免許は、規則正しい生活と、集中的に勉強出来る環境が整っているので、「一気に運転免許を取得したい」という方には非常におすすめできるプランと言えます。
人気の教習所は数か月前に予約がいっぱいになってしまう事も多いので、入校を検討している場合は早めに予約をして、準備をしておきましょう!
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